「教える技術」の鍛え方 ―人も自分も成長できる
予備校の元カリスマ講師の著者、樋口 裕一氏による、「教え方」を自らの体験から解説した本。
「教える」と言うと、日本の教育では教わる側は教える側の言うことを丸暗記みたいな習慣がありますが、本当に育てたいのは「考える力」ですよね。
この本は、教わる側に考える力を養ってもらうことを目的として教えようというものです。
老子の言葉で、
『人に魚を与えれば1日食べさせる事ができる。
だが魚釣りを教えれば一生食べさせる事ができる』
という言葉がありますが、まさにこのことですね。
しかし、一方的に教える行為は、生徒が受け身になってしまうので、
考える力を養うのは難しいですよね^^
僕も最近色々な分野で教える側に回ることが多くなってきているのですが、
1から10まで熱く教えてしまいがち。
勉強熱心な生徒なら吸収するかもしれないですが、
やる気があるのではなく、やらざるを得ない状況でやろうとしている人はやっぱり気分が乗ってこないことも。
そこに熱く語ってもなかなか吸収しないんですよね^^
この本には、学ぶ側に過大に期待しないことと書かれています。
僕は期待しすぎる傾向があったので、相手の能力の読み違えが起こっているのかもしれません。
読み違えたまま進めてもなかなか吸収しませんからね。
吸収してもらうためには、自分で思っているよりもレベルを少し下げて説明すること。
教える側はついつい自分のレベルまで上げてしまいがちなので、
少し低いぐらいがちょうどよいそうです。
そしてもう一つ、教わる側にもタイプが2つ存在すること。
それは、理屈人間と実践人間。
大切なのは、どちらが勝っているということではないということです。
一見、考えて行動する理屈人間の方が頭が良いように思われますが、
実践人間は、実践しながら学ぶので、やり方が違うだけなんですよね^^
なので、理屈人間には理屈から説明し、実践人間には実践してその後に理屈を説明するというやり方が必要になってきますね。
もう一つ、身を入れて学ばせるためのテクニックとして、
説明の仕方で勉強になったのは、
得することを強調することと、できないと大変なことになることを強調すること。
興味を持たせるために注意を引かせるテクニックですね^^
この本には他にもいろいろなテクニックや考え方が載っていますし、
大人数に教える場合に気をつけなければならないことも書かれています。
教え方に自信がないなら、この本を参考にしてもよいかもしれません^^
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