日本は実は、金融ガラパゴスだった!
知人に勧められて、投資の素人ながら、今まで海外投資関連の本を読んできましたが、
この本は結構衝撃的!
タイトルの資産フライトというのは、
自分の資産を海外に持ち出して、海外の口座でファンドを運用したり保全したりするすることです。
日本人は、郵貯や国内の銀行に預金するのが安全だと思っている人が多いのですが、
日本の銀行に預けていても儲かりませんし、安全どころか円安でハイパーインフレになってしまうと、
今まで預金してきたお金の価値がぐっと下がってしまうわけです。
そういうことが起こる可能性があるのなら、海外で運用するのが実は健全だったりします。
そしてそのように考えて、資産フライトをするのは、資産を持っている富裕層だけでなく、
日本が危ういということに気付いた、一般層にまで拡大しているんですね。
この本は、どんな風に海外に持ち出すのかを密着したリアルなレポートと、
持ちださなければならない必要性が詳しく書かれています。
利用しても儲かるどこか目減りする日本の金融システム
日本は今 超低金利で、預けていても昔のように増えることはありません。
おそらく多くの人は、"預けて増やす"という考えよりも、
"倉庫のように預けて保管しといてもらう"という感じではないでしょうか?
でもこの"預ける"という行為、安全そうに見えて、結構リスキーなんですね^^;
なぜなら、ゆうちょ銀行は、預金残高に対して国債が占める割合は9割も持っています。
大手銀行も、軒並み多額の国債を保有していて、保有額は増加傾向にあるんですね。
今、日本は税収40兆円ほどですが、支出は90兆円。
年々借金が増えています。
そしてそれが改善されそうな政策もありませんよね^^;
いつ破たんするかわからない国の国債を日本の金融機関は多額に持っているわけです。
破たんしたら、大打撃を受けることは間違いなしで、過去に破たんしたことのある
ロシアやブラジルは、口座の封鎖なんかも実際に起こっているんですね^^;
しかもそれは、ある日突然起こります。
結構リスキーですよね^^;
そしてまた、日本で銀行が提供する投資信託も、儲かるどころか損するところが多いです^^;
でも、銀行は諸外国と比べてけた外れの高い手数料を設定して、それで儲かっているんですね。
金融機関は、運用益が出るような商品を開発するのが仕事のはずですが、
それを疎かにして、投資家に購入してもらうことばかりに力を入れています。
買ってもらえば、その手数料で儲かるからです。
なので、ほとんど良い商品はありません。
海外ではそのようなやり方は非常識で、
お客さんの資産を増やして、初めて自分達の収入が増えるわけです。
なので、良い商品をどんどん開発しています。
海外に資産を移すのは当然ですよね^^;
日本の金融システムは、それだけ世界に遅れをとっているのです。
携帯だけではなく、金融もガラパゴスなんです。
そこに早く気付かないといけないわけですが、日本に住んでいると外を見ることの少ないので、
遅れているのに気付かないんですね。
お金のあるところからとるのが本当に良いのか?
そんな風に、日本ではお金を増やすことが難しいのに、
日本政府は増税路線をとっています。
相続税の控除額を減らすことで税収を増やそうとしていますし、
法人税はいまだ40%で、世界でも高い水準にあります。
それでも税収が苦しいので、野田政権は消費税を10%に上げようと検討して
国民に理解を求めようとしています。
低所得者に大打撃を与える、消費税、法人税を上げると国民の反発を食らいやすいのですが、
富裕層が主に対象となるような相続税からとるようにすれば、反発が少なくて済みそう、と政府は考えるわけですね。
そうして富裕層に追い打ちをかけるわけですが、
そうすると、富裕層は当然出ていってしまいます^^;
世界には相続税がない地域もありますからね。
「お金持ってるんだから、払えばいいんじゃないの?」
みたいに思う人もいるかもしれませんが、本当にそんな単純なものなのでしょうか?
誰だって自分の資産の半分近くをとられるようなのは嫌でしょうし、
頑張っても報われないことになりますよね。
自分の財産を子孫に残すこともできませんし。
自分の財産を守るためには、海外に持ち出すしかないわけです。
寄付でお金を回すのは良いと思いますが、無駄の多い国の財政の借金に使われるのは、本望ではないでしょう。
ちなみに、富裕層が出ていってしまうと、私達一般人が大打撃を受けます。
なぜなら、国家を運営する税金を払っているのはほとんど富裕層なんです。
私達が思っている以上の金額を払っているんですね^^;
日本の場合、所得が1000万円超までの人の納税額は79.3%に上るそうです。
これが資産フライトによって減っていくということは、私達一般市民にも大打撃を受けるんですね。
実際、相続税の控除額を減らしたのは、私達一般市民にも影響を与えるようになっています。
税収が見込めないから相続税から取ろうとしているのですが、
相続税は今まで基礎控除の定額部分が5,000万円、
法定相続人1人当たり1,000万円を加えた金額までが課税対象外だったのが、
改訂されてて定額部分が3,000万円、1人当たりの控除額が600万円まで引き下げられました。
都内でマンションを購入していたりしたら、引っ掛かりそうな額ですね^^;
富裕層だけでなく、今や中間層、低所得者層にまで負担がきているわけです。
なので、富裕層への課税を強化するのは、得策ではありません。
とはいえ、消費税を10%に引き上げたり、所得税をあげたりすると、
低所得者が大打撃を受けるわけですから、それも良い方法ではないでしょう。
それよりも、減税して企業の成長を促すと同時に、
人件費をはじめとするムダな支出を抑え、
財政を改善していくことを先に行うべきではないでしょうか?
国民のご機嫌取りをする政治家、自分の所属する省の利益ばかりを追及する官僚、
そこが足を引っ張っている間は、日本は危機的な状況から脱出できません。
増税ありき担っている現状、程遠そうですね^^;
成功者を妬む日本人の性質が根本原因
そもそも、なぜ富裕層から課税することが当然のように思われるのでしょうか?
それは、日本人の出る杭を打つ性質にあります。
日本では成功者は何かと妬まれる運命にあるんですね^^;
「汚いやり方で稼いでいるんだろう」と思ったり、
足を引っ張ろうとする人が必ず出てきます。
それとは違い、アメリカでは基本的に成功者は尊敬されます。
(ウォール街のデモが盛り上がってますが、それは基本的に個人を名指してやっているわけではないので、事情は違います)
つまり、日本人は結果に平等を求めて、アメリカは機会の平等を求めているんですね。
島国であまり外に出ることのない日本人は、
本質的には共産主義に近いのかもしれません。
そのようなこともあって、日本は富裕層にとって居づらい国になってしまうわけです。
成功して足を引っ張られるより、尊敬される方がやりがいありますからね^^
また、源泉徴収という、日本特有の制度で、納税している意識のない人も多いので、
富裕層から恩恵を受けていることを知らないのも原因の一つでしょうね^^;
だから政府も、人数では圧倒的の低所得者層から税金を徴収するより、
むしろ子供手当のようなバラマキを実行して、お金持ちから税金を徴収しようとしますし、
本当に必要な対策をしないわけです。
こうやって人気とりをしようとするわけですから、国民も賢くなくてはいけませんね^^;
日本が再び日の目を見るかどうかは、政府の手腕にかかっています。
やり方次第でまた日本にヒト、モノ、カネが集まると思いますが、
でも、なかなか光が見えそうにもありません。
資産フライトをするのは、一見日本を見捨てる行為に見えるかもしれませんが、
それだけ政府に危機感を与える、愛の鞭とも言えます。
海外に拠点を移した富裕層は、決して日本が嫌いになったわけではないと思います。
やっぱり祖国ですからね^^
政府の成長戦略が見えずに増税路線を走っている間は、
私達も資産フライトを始めた方がよいかもしれません^^;
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